息子が中1の頃、たまたま情報をキャッチして参加した不登校むけ高校受験の説明会から2年。
ついに「受験学年」になった息子。
1年の時は「ざっくり」知ればよかった「高校受験」についても「本気で」情報を集めなければいけない時期になりました。
中1の頃は「定時制」「全日制」も視野に入れていたけれど、
2年生になり、3年生になる頃に本人と話をして
「通学の負荷が少ない通信制に進学をしよう」という話になりました。
本人の希望が「通信制高校」と定まったことで、お節介おばさんの本領発揮!
知識皆無の状態から「通信制高校」調べまくりました。
私が調べた情報がどなたかのお役に立てば嬉しいです。
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全日制・定時制・通信制高校の違いとは

全日制・定時制・通信制高校は「時程(学校にいる時間)、入試方法」が大きく違っていますが「卒業要件」の74単位取得は同じです。
過程 | 時程 | 入試 | 単位取得 |
---|---|---|---|
全日制高校 | 朝〜夕方(約6時間) | 5教科+調査書 | 決められた出席日数 定期テストでの合格 |
定時制高校 | 午前・午後・夕方・夜間 等 (約4時間) | 3教科+調査書(+面接) | 決められた出席日数 定期テストでの合格 |
通信制高校 | 基本的に自宅学習 | 書類選考、作文、面接 (+学力検査) | レポート提出 スクーリング出席 定期テストでの合格 |
全日制高校
全日制高校の概要
いわゆる「一般的な高校」です。
朝〜夕方まで授業があり(約6時間)卒業に必要な単位は3年間で割り振られていてほとんどが「学年制」。
娘は全日制の公立高校に通っていますが、保護者会で「テストが受けられなければ単位が取れず進級できないこともあります」と、ものすごく脅されていました。
ですが実際はそこまでシビアではないようです。

ビビった時間を返して先生!
各学校救済措置はあると思いますが、その年取得予定の単位を落とすことで進級できなくなることもあります。
娘には「とにかく卒業をしてくれ」と伝えてました。
公立全日制高校の一般入試
国・数・理・社・英(5教科)の学力検査点と調査書点の合計で判定。(学力:調査書=7:3)
科目別の点数配分が異なる学校があったり、独自問題を使う学校もあります。
東京都では令和5年度入試(2023年2月入試)からESAT-J(イーサットジェイ)が導入されました。
ESAT-J | CEFR | 加点 |
---|---|---|
A | A2 | 20 |
B | A1 | 16 |
C | A1 | 12 |
D | A1 | 8 |
E | A1未満 | 4 |
F | A1未満 | 0 |
CEFR(セファール)は大学受験で使われている英語判定方式です。



初めて聞いた時
ティファール?と思った
(マジで)
もらった資料にはCEFRとの比較表が載っていたので記載しましたが、
CEFRはA1,A2,B1,B2,C1,C2で表記されるので、A1メインの高校受験の英語力をCEFRで表現するのは難しいと思います。
A1:英検3級〜準2級中盤
A2:英検準2級〜2級中盤 です。
定時制高校
定時制高校の概要
大昔の知識だと「定時制=夜間」のイメージでしたが、「午前・午後・夕方・夜間」の3〜4部に分かれている学校が増えていて全日制に比べて時間拘束が少ないのが特徴です。(約4時間)
部活なども充実している学校も多く、毎日通学をします。
定時制公立高校の一般入試
国・数・英(3教科)の学力検査点と調査書点の合計で判定。(学力:調査書=7:3)
面接実施の場合もあり。
東京都の定時制高校は共通問題なので、市販の過去問が利用できます。
通信制高校
通信制高校の概要
学習の基本はレポート提出、スクーリング(通学)、単位認定試験で、授業はほぼオンライン。ただし、公立高校のオンライン対応は私立ほど進んでいない印象があります。
定時制と同じく単位制が多く、スクーリングは年に数日(合宿タイプ)、週に1〜5日通学のタイプがあり、自分の通学スタイルに合う学校を選ぶことができます。
通信制高校の入試
一般的に書類選考、作文、面接で判定を出す学校が多いが、中には学力テストを課す学校もあります。
東京都立通信制高校では自校作成問題による学力検査(国数英3教科を総合して60~70分で実施)と調査書による入試を行っていて面接はありません。(東京都立通信制高校詳細)
通信制高校の探し方


通信制高校説明会
公立高校説明会
サンダル相談会(http://jyuken.tokyo/tojr.html)は東京を中心とした関東圏の公立高校合同説明会です。
以前参加した時には公立高校で開催されていました。1つの教室に3〜4校ほどのブースがあり、1〜3人の学校の職員の方と個別相談ができます。(廊下にもブースあり)
スタンプラリーでいくつかの学校を周りスタンプを集めると公立高校グッズ(クリアファイルなど)をもらえるプレゼント企画もやっていました。



志望校のグッズなら
絶対欲しい!
予約を取って参加しましたが、入口では長蛇の列ができるほどの賑わい。
気になる学校のパンフレットをもらいつつ、個別相談でも何校か話をさせていただき、とても良い先生に巡り合いましたが通信制の先生ではなく残念です。
先生と話すことでパンフレットではわからない「その学校の印象」がわかります。
公立高校の先生と話す機会はかなり貴重。学校の印象を感じるためにもこういう合同相談会には是非参加をおすすめします。
私立通信制高校説明会
学びリンク通信制高校合同相談会(https://manabilink.co.jp/event/)は私立通信制高校が一同に会する相談会です。
とても賑わっていて沢山の学校がブースを出していました。


受付を済ませるともらえる「しおり」がすごくよくできていて、
ブースの説明(サポート校・通信制高校など色分けで見やすい)、主要駅と学校の配置地図(通信制高校の地図は初めて見たので感動)、学校検索表(通学日数、サポート内容、支援活動、特色あるコース、部活の一覧表)があり、
学校検索表は、どの学校が自分が大事にしているこだわりポイントにヒットするのかを確認することができます。


日付が入っているので、毎回作っているのでしょうか?



学びリンクさん
すごい!!
ブースのはじの方にパンフレットが並んでいるので、気になる学校のパンフレットをもらうことができます。
持ち帰り用のしっかりした紙袋も用意されているというサポートぶりでした。
資料取り寄せ
学校に行くことに抵抗がある、どの学校にすればいいのかわからない、相談会の場所が遠いなどの理由がある場合は資料だけを取り寄せて通信制高校について理解を深めるのも良いと思います。
私は息子が中1の時に一度取り寄せました。



情報集めるのが好き
一気に数校の資料が取り寄せられるサービスでとても便利だったのですが、申し込んだ後、早速学校からのアナウンス電話が鳴り、その部分だけはいい印象がありませんでした。
ですが、一気に資料を取り寄せられるのはとても便利。
ですので、資料を申し込む時には備考欄に「まずは資料を読ませていただきたいのでお電話はご遠慮ください」と一言書いておくことをおすすめします。



軽い気持ちで
資料を取り寄せたので
電話には参りました
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本で調べる
私立通信制高校合同相談会を開いている学びリンクさんから出ている書籍です。
電話帳や週刊少年誌くらいある分厚い本で、通信制高校がほぼ全て(私立公立)載っていて、学費のこと、コースのこと様々な疑問を解決できます。
通学可能地域も一目でわかるように作られているので、日本全国どこの人が読んでも良い仕様になっています。
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通信制高校の卒業について


高卒資格を得られる
高校卒業資格を得るには高卒認定試験を受ける方法もありますが、
全日制・定時制・通信制高校を卒業するのが一般的な方法です。
通学に対する不安がなければ「全日制・定時制」
学校に通学することで生活リズムの乱れが起こりにくく、部活動や行事などもあるため充実した高校生活が送れます。
通学に不安があるなら「通信制」
うちのように中学3年間不登校の場合、「登校」自体への不安が拭いきれません。
通信制高校だと年に数日から週1回、毎日などスクーリングの種類が様々あるので「高校を自分のスタイル」に合わせることができます。
様々あるのは私立通信制高校で、公立通信制高校は調べた範囲ではスクーリングは決まった曜日に1回という感じでした。
公立:スクーリング週1回
私立:スクーリングは様々ある
卒業要件:74単位習得の仕組み
学校によって1年間に取得できる単位が決まっていて、30〜35単位が上限の学校が多く、最低でも3年以上かかり、
単位は「レポート」「スクーリング」「単位取得試験」をクリアすることで取得できます。
- ❶レポート提出
-
A4用紙数枚の提出後、担任の添削があり評価がつけられる。
レポートの形状は該当科目の問題プリント
- ❷スクーリングの参加
-
学校が規定する回数スクーリングへの参加
- ❸試験の合格
-
前期・後期の試験で合格をする
❶〜❸をクリアすることで単位を取得することができます。
単位には必ず取得しなければいけない「必履修科目」「選択必履修科目」「自由選択科目」があります。
必履修科目例:現代の国語、英語コミュニケーションⅠ、歴史総合など
選択必履修科目例:音楽Ⅰ、美術Ⅰ、書道Ⅰなど
大昔、ほぼ毎日美術を取っていました。これは選択必履修と自由選択のコラボだったのだと思います。(普通科公立高校)



美術の授業
楽しかったな〜
通信制高校の在籍期間
年間約30単位取得できたとしても3年間は在籍することになります。
以前話を聞いた時、6年間まで在籍ができるとの説明でした。在籍可能期間については志望校が定まってきた時に質問すると良いと思います。
通信制高校はどんな人が通っているの?
通信制高校に通う年齢データ
政府の統計窓口(https://www.e-stat.go.jp)公立私立通信制高校の年齢比率(令和3年度)を見ると私立通信制高校の10代の比率がかなり多いことがわかります。


比率は少ないですが、60歳以上の受講生がいることを考えると私自身も日々勉強だと考えさせられました。
中学卒業、高校からの転入に「私立通信制高校」が選ばれているのがこの表を見てもよくわかります。



私立はほとんど10代
中学時代不登校だった人
原因は様々ですが、中学時代に不登校だった場合、登校不安・対人不安など通学に不安を抱える場合、少ない通学の回数も選べる通信制高校は魅力ある進学先です。
高校の卒業資格が欲しい人
18歳以上なら「高等学校卒業程度認定試験(高卒認定試験)」を受けることができますが、
・18歳未満
・自力での学習に対する不安
を考えると「どこかに在籍している状態」の方が卒業資格を得る確率が上がると考えています。
通信制も自力で学習するというところでは自学自習ができないと卒業は難しいですが、ペースメーカー(学校)があるのとないのでは負担は少ないでしょう。
卒業資格の得やすさは入学のしやすさに反比例する感じですね。



通信制高校は
入学よりも卒業が難しい
通信制高校の卒業の難しさをフォローする存在として「サポート校」があります。
別の高校からの編入
高校に入学したけれど、学校が合わず転入先として通信制高校を選ぶ生徒さんも沢山いるようです。
説明会にも制服を着た生徒さんがチラホラいました。



積極的に高校の説明を聞きに来てえらい
専門活動の充実
N高の書籍で、アスリートが練習時間確保のために通信制を選んでいる話を読みました。
練習時間と学習時間の確保、遠征などもあるので通信制高校やオンラインで授業を受けられるようになっている現代は専門活動に力を入れている人の強い味方だと思います。
公立と私立の違い


高校の学費について
国が行っている高等学校等就学支援金制度によって一定年収以下の世帯※においては高校の授業料に対する支援金を受けることができます。
これは国立・公立・私立問わず利用できる制度で、全日制だけではなく、定時制・通信制でも利用可能です。(専攻科※・別科を除く)
専攻科とは、当該種別の学校の卒業生もしくはそれと同等以上の学力を有する者に対して(中略)学校に設けられる課程のことである。
https://ja.wikipedia.org/wiki/専攻科
※世帯年収目安約910万円未満の世帯が対象(目安世帯:夫婦と中学生1人高校生1人の家族の場合)
※正確には、保護者の市町村税の課税標準額×6%-市町村民税の調整控除の額=30万4200円未満の世帯
就学支援金制度は最大4年間(48か月)利用できます。
公立通信制高校学費概要
入学考査料:950円
1単位:336円(74単位:24,864円)
スポーツ保険:165円/年額
必要な教材費(入学後確認)
レポート郵送費:100gまで15円(第四種郵便)
スクーリングに行く時の交通費



公立高校
安っ!
教材費は入学してみないとわかりませんが、参考までに公立全日制高校(上の子)の教科書代は年間3万円くらいでした。
私立通信制高校概要
私立通信制高校は多いので、通信制高校生徒数ランキング1位のN高の場合を例として載せます。(2022年6月30日時点:生徒数22,267名はすごい!)
普通科ベーシック選択時(年25単位):1,486,000円/年学費
詳しくはN高学費のページをご覧ください。
※就学支援金は加味していません。



N高、高いなぁ
資料を取り寄せるとネットより細かく学費は載っていますが、読み方が難しいので個別に相談することで自身の学費がわかります。


通信制のメリットデメリット


メリット
・決められた時間割がなく、自分のペースで学習できる。
・通学する回数が少ない。
・厳しい校則がない学校が多い。
・単位は次年度再取得ができる。
・転入学の場合は前校で取得した単位を引き継げる。
・時間に余裕があるので、やりたいことにチャレンジできる。
自由さが通信制高校の最大のメリット!
デメリット
・課題に対する質問をすることが難しい。
・得意科目ばかり取り組んでしまう。
・友達を作る機会が少ない。
・グループワークの機会がない。
・自学自習は難しい。
・自力でのシラバス管理が難しい。
シラバスとは…講義・授業の授業計画のこと
https://ja.wikipedia.org/wiki/シラバス
質問しやすい環境を提供してくれている学校もありますが、
学習面については満遍なくカリキュラムを組んだり、自制しながら学習に取り組むのはハードルが高いと思います。
このデメリットをクリアする方法として、私立の通信制高校はサポート校と連携しているか、手厚いフォローをしている学校が多くなっています。



サポート校、手厚フォロー
で卒業への不安解消
全日制、定時制、通信制の比較表
過程 | 時程 | 学習方法 | 入試 | 単位取得 |
---|---|---|---|---|
全日制高校 | 約6時間 | 決まった時間割に 沿った授業 | 5教科+調査書 | 決められた出席日数 定期テストでの合格 |
定時制高校 | 約4時間 | 時間割を 決めて受講 | 3教科+調査書(+面接) | 決められた出席日数 定期テストでの合格 |
通信制高校 | 基本的に 自宅学習 | 時間は自由 | 書類選考、作文、面接 (+学力検査) | レポート提出 スクーリング出席 定期テストでの合格 |
通信制高校ってどんな学校?【まとめ】


通信制高校の疑問をまとめてみました。
調べていて公立通信制高校の学費の安さに驚愕しました。
1単位336円は私立と比べて安すぎます。(私立は1単位5千円位〜1万円超える学校と様々)



娘の公立全日制と比べても
安すぎてビビる!
公立通信制高校にサポート校を組み合わせたいと思っていますが、
サポート校は提携する高校への入学をする必要があるなど難しそうです。
お住まいの地域にもよりますが、公立・私立問わず、合同説明会などに足を運んで少しだけでも話をすると疑問が解消されることも多く、おすすめです。
不登校の本人と行くのは難しかったとしても、もらえる資料や直接聞いた話は今後に大変役に立つ情報でした。



お役に立てば幸いです
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